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校舎をわたる風が、少しずつ秋の色を運び始めた今日このごろ。福島小学校に、また新しい音が満ち始めました。音楽会に向けた練習の始まりです。 体育館に集まった、全校児童。先生のピアノの音に合わせて、最初の歌声が響きます。 それはまだ、一人ひとりの声。 高学年のしっかりとした声、中学年の澄んだ声、そして、入学して半年が経った一年生のかわいらしい声。音の高さも、歌い出すタイミングも、息づかいも、みんなばらばらです。けれど、それもまた、一生懸命さのあらわれ。自分のパートを、自分のメロディーを、確かめるように歌う子どもたちの姿があります。 先生の指揮をきっかけに、子どもたちの意識が、自分の内側から外側へと向かっていきます。ざわめきがすうっと消え、空気が澄んでいくのがわかります。 そして、再び歌い始めた、その瞬間。 魔法が起きたかのように、ばらばらだった音が一つの流れになりました。違う高さの音が、パズルのピースがはまるように組み合わさり、美しい「響き」が生まれます。ハーモニーが生まれた瞬間です。 その変化に、誰より早く気づいたのは子どもたち自身でした。「あ…」と、誰かの驚きの声がもれ、歌いながら、隣の子と顔を見合わせてにっこりと笑いました。その表情は、「できた!」「きれいだね!」と、声なき声で語り合っているようでした。 自分の声が、誰かの声と重なる心地よさ。 みんなで一つのものを作り上げる、静かな喜び。 子どもたちは、楽譜からは学べない大切なことを、心と体で感じ取っています。   授業では、楽器パートに分かれての練習が始まりました。鉄琴の涼やかな響き、ドラムの激しい鼓動、リコーダーや鍵盤ハーモニカの懐かしい音色、お互いの音を聴き合い、支え合う。先生が階名で歌うCDが、子どもたちのゆく道を照らします。 「ドードードー♪」 CDから流れる先生の歌声に合わせて、子どもたちは楽器を演奏します。楽譜からの情報に加え、全体のメロディや音の長さが実際に分かって、子どもたちも安心です。 難しい音程に苦戦しながらも、CDに耳を傾けながら友達と教え合う姿は真剣そのものです。   驚くのは、休み時間です。 チャイムが鳴ると、誰に言われるでもなく、何人もの子が音楽室へ向かいます。おのおの楽譜を手に、自然と練習が始まります。校舎には、途切れることなく子どもたちの歌声や音楽が響いています。福島の日常に、音楽が溶け込んでいるのです。 一つの歌を、みんなで完成させていきます。 これは、私たちの社会や生活と、どこか似ているかもしれません。 一人ひとりの個性(声)は違っていても、お互いに耳を傾け、尊重し合うことで、想像もしていなかった美しい調和(ハーモニー)が生まれます。 子どもたちの歌声に耳を澄ませていると、そんな当たり前で、とても大切なことを思い出させてくれます。そして、教室の窓から夕陽を眺めながら、仲間と声を合わせた、あの遠い日の記憶がふっと胸をよぎるのです。 今年の音楽会では、どんなハーモニーが響くのでしょうか。 子どもたちが紡ぎ出す一瞬一瞬の音を、大切に見守っていきたいと思います。
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「生物多様性保全の推進に関する基本協定」に係る環境教育事業として、例年、町内の小学校を対象に専門講師による座学と校外学習の授業が行われます。今年度は福島小がその対象となりました。 窓の外には、もう秋を知らせる涼しい高原の風。子どもたちは、何が始まるか、わくわくしていました。   1日目は座学。木曽の開田高原にしか生息しない、絶滅危惧種のチャマダラセセリの話を聞きました。虫好きの子は前のめり、ちょっと苦手な子は顔を背けて「えー」。 でも、先生が語る虫の豆知識や意外なエピソードに、次第に笑顔が広がり、やがて全員の視線がスクリーンに釘付けになっていきます。最後の、生物多様性の話になる頃には、子どもたちは真剣に話を聞くようになっていました。   2日目は木曽駒森林公園へ。緑に包まれた森の中、虫取り網を手に走る子どもたち。高原の空気は澄んでいて、草の香りと土の香りが混じり合う。 捕まえたチョウをそっと三角紙に入れて観察する手つきは、まるで森からの贈り物を扱うようでした。   ひらりと羽ばたくチョウの姿に、子どもたちの表情も変わっていきました。「虫は苦手」と言っていた子が、気づけば目を丸くして覗き込んでいました。自然の風、森の香り、そして小さな羽音。一緒に学び、一緒に走り回ったこの日は、子どもたちの心のどこかに、夏の光と同じように残り続けるのかもしれません。 大人になっても、ふとした時に、こうした「小さな発見」を思い出してくれればいいなあと思います。
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学校からのお知らせ

 校舎をわたる風が、少しずつ秋の色を運び始めた今日このごろ。
福島小学校に、また新しい音が満ち始めました。音楽会に向けた練習の始まりです。 

 体育館に集まった、全校児童。
先生のピアノの音に合わせて、最初の歌声が響きます。

 それはまだ、一人ひとりの声。
 高学年のしっかりとした声、中学年の澄んだ声、そして、入学して半年が経った一年生のかわいらしい声。音の高さも、歌い出すタイミングも、息づかいも、みんなばらばらです。けれど、それもまた、一生懸命さのあらわれ。自分のパートを、自分のメロディーを、確かめるように歌う子どもたちの姿があります。

 先生の指揮をきっかけに、子どもたちの意識が、自分の内側から外側へと向かっていきます。
ざわめきがすうっと消え、空気が澄んでいくのがわかります。

 そして、再び歌い始めた、その瞬間。

 魔法が起きたかのように、ばらばらだった音が一つの流れになりました。違う高さの音が、パズルのピースがはまるように組み合わさり、美しい「響き」が生まれます。ハーモニーが生まれた瞬間です。
 その変化に、誰より早く気づいたのは子どもたち自身でした。
「あ…」と、誰かの驚きの声がもれ、歌いながら、隣の子と顔を見合わせてにっこりと笑いました。その表情は、「できた!」「きれいだね!」と、声なき声で語り合っているようでした。

 自分の声が、誰かの声と重なる心地よさ。
 みんなで一つのものを作り上げる、静かな喜び。
 子どもたちは、楽譜からは学べない大切なことを、心と体で感じ取っています。

 

 授業では、楽器パートに分かれての練習が始まりました。鉄琴の涼やかな響き、ドラムの激しい鼓動、リコーダーや鍵盤ハーモニカの懐かしい音色、お互いの音を聴き合い、支え合う。先生が階名で歌うCDが、子どもたちのゆく道を照らします。

「ドードードー♪」

CDから流れる先生の歌声に合わせて、子どもたちは楽器を演奏します。楽譜からの情報に加え、全体のメロディや音の長さが実際に分かって、子どもたちも安心です。

 難しい音程に苦戦しながらも、CDに耳を傾けながら友達と教え合う姿は真剣そのものです。

 

 驚くのは、休み時間です。
 チャイムが鳴ると、誰に言われるでもなく、何人もの子が音楽室へ向かいます。おのおの楽譜を手に、自然と練習が始まります。校舎には、途切れることなく子どもたちの歌声や音楽が響いています。福島の日常に、音楽が溶け込んでいるのです。

 一つの歌を、みんなで完成させていきます。
 これは、私たちの社会や生活と、どこか似ているかもしれません。
 一人ひとりの個性(声)は違っていても、お互いに耳を傾け、尊重し合うことで、想像もしていなかった美しい調和(ハーモニー)が生まれます。

 子どもたちの歌声に耳を澄ませていると、そんな当たり前で、とても大切なことを思い出させてくれます。そして、教室の窓から夕陽を眺めながら、仲間と声を合わせた、あの遠い日の記憶がふっと胸をよぎるのです。

 今年の音楽会では、どんなハーモニーが響くのでしょうか。
 子どもたちが紡ぎ出す一瞬一瞬の音を、大切に見守っていきたいと思います。

 「生物多様性保全の推進に関する基本協定」に係る環境教育事業として、例年、町内の小学校を対象に専門講師による座学と校外学習の授業が行われます。今年度は福島小がその対象となりました。

窓の外には、もう秋を知らせる涼しい高原の風。子どもたちは、何が始まるか、わくわくしていました。

 

 1日目は座学。木曽の開田高原にしか生息しない、絶滅危惧種のチャマダラセセリの話を聞きました。虫好きの子は前のめり、ちょっと苦手な子は顔を背けて「えー」。

 でも、先生が語る虫の豆知識や意外なエピソードに、次第に笑顔が広がり、やがて全員の視線がスクリーンに釘付けになっていきます。最後の、生物多様性の話になる頃には、子どもたちは真剣に話を聞くようになっていました。

 

 2日目は木曽駒森林公園へ。緑に包まれた森の中、虫取り網を手に走る子どもたち。高原の空気は澄んでいて、草の香りと土の香りが混じり合う。

 捕まえたチョウをそっと三角紙に入れて観察する手つきは、まるで森からの贈り物を扱うようでした。

 

 ひらりと羽ばたくチョウの姿に、子どもたちの表情も変わっていきました。「虫は苦手」と言っていた子が、気づけば目を丸くして覗き込んでいました。自然の風、森の香り、そして小さな羽音。一緒に学び、一緒に走り回ったこの日は、子どもたちの心のどこかに、夏の光と同じように残り続けるのかもしれません。

 

 大人になっても、ふとした時に、こうした「小さな発見」を思い出してくれればいいなあと思います。

木曽駒森林公園,チョウ

木曽福島,御嶽はくさい

3年生が校外学習に出かけました。

木曽町の自然や特産品に親しめる素敵なコースです。

御嶽白菜の畑を見て、ロープウェイに乗って御嶽山に登り、最後はおもちゃ美術館でキーホルダー作りをしました。

 

大自然の空気と、ものづくりの楽しさにふれた1日でした。

 

木曽福島,御嶽はくさい

畑の見学では、とれたての御嶽白菜をふるまっていただきました。

「しゃきしゃきしてる。」と、子供たちは大喜びでした。

「みずみずしい・・・。」大人顔負けの語彙力を発揮する子や、

「ポン酢がほしい。」と、たくさん食べる気満々の子など、それぞれの味わい方をしていました。

中には、外で待っているバスの運転手さんに御嶽白菜を持っていく、心優しい子もいました。

 

御嶽山は、木曽のシンボルたる活火山です。ロープウェイで7合目まで登りますが、ロープウェイまでの道のりも、山道です。バスに乗って曲がりくねった道を上がっていきます。

遠くまで広がる景色を見ながら、子供たちは展望台に置いてあるブランコを楽しみました。

 

木曽福島,おもちゃ美術館

おもちゃ美術館では、ヒノキの板を使ったキーホルダー作り。削ったり、磨いたりして、世界で1つだけのお土産を作りました。

 

 

この日の体験は、単なる「見学」や「遊び」ではありません。

 

畑を見学することで、地域の農業や、食べ物を育てる人の努力に気づく。

 

高原を歩くことで、自然の大きさや気候・地形の特色を体験する。

 

木を削りながら、地元のヒノキに親しみ、森と人とのつながりを学ぶ。

 

1日で「地域・自然・文化」の全てに触れられる、とても贅沢な学びの時間でした。

 

今日の福島小は、少し緊張した空気。避難訓練が行われました。

 

子供たちは黙って、素早く動きました。

机の脚をしっかり持ち、机の中に隠れる姿に「本気で取り組んでいる」気持ちが伝わってきました。

 

 

先生方の点呼の声が校庭に響きます。誰1人取り残さないように、人数を確認する。その声もまた、命を守るための大切な1つです。

 

訓練の後には、消防署の職員さんよるお話がありました。

子供たちにも分かりやすく、「なぜこの行動が大切なのか」を丁寧に説明してくださいました。

 

校長先生からは、

「正しく恐れてください」という言葉がありました。

 

恐れることは悪いことではありません。

ただ、漠然と怖がるのではなく、「どうすれば身を守れるか」を知り、備えること。

それが、子供たち一人ひとりの「生きる力」につながります。

 

訓練の時間は、ただの練習ではなく、日常の中で「安全を考える心」を育てる時間でもありました。

 

 

 

 

 

 福島小では、毎日の掃除も大切な時間。

クラシック音楽が流れてくると、子供たちはまずしゃがんで、今日の掃除の目標を決めるところから始まります。

 

(あそこをピカピカにしよう。)

(今日は早く終わらせたいな。)

 

それぞれが黙って決めるので、分かりませんが、きっとこんなことを考えているのだと思います。

 

 

 

 

 掃除するのは、自分たちが過ごす場所。下駄箱、廊下、トイレ、運動場...。

 自分たちの手で整えることで、「自分たちの場所だ」という感覚が自然に育ちます。

 

 ほうきの音、ぞうきんを絞る水の音、砂を掃く音、校舎のあちこちで、静かなリズムが生まれます。

 

 

 

 

掃除は、ただの作業ではありません。

「きれいになった」という結果だけでなく、その過程の中で、子供たちは心の整理をしているのかもしれません。

 

雑巾をかけてピカピカになった床を見ると、どこか気持ちもすっきり。掃除を通じて、空間と心が同時に整う瞬間があります。

 

そうやって校舎全体が、子供たちの手で清々しい空気に変わっていきます。

夏休みを終えて、子供たちが学校に戻ってきました。

久しぶりに会った子供たちは、日焼けした子が多くて、笑顔もいっぱい。

 

転校してきた友だちも加わり、福島小にまた、新しい風が吹きました。

言葉を伝え合い、分かり合おうとする自分たちでありたい。

始業式では、校長先生のお話。

テーマは、「違う考えの人と話すことの大切さ」でした。

 

子供たちはその言葉を、真剣に聞いていました。

 

その後は、夏休みの思い出発表。

「バッグを作ったこと」

「料理を作ったこと」

「段ボールで信号機を作ったこと」

それぞれが過ごした時間を、友だちと分かち合いました。

 

いろいろなことに挑戦して、「できた!」の実感が、子供たちを大きくしていきます。

 

今日は新しいスタートの日です。

みんなで食べた給食のカレーライスが始まりの合図のようにもなりました。

おなかも心も満たされて、福島小の2学期が元気に始まります。

 

 

 

木曽,福島小学校,夏休み,職員作業,ヒノキ,自然,移住

 夏休み中の福島小。

 子供たちの声が消えた校舎には、ときどき「ウィーン…」と電動工具の音が響きます。

 

 それは、子供たちの机を修理している音。

 

 ヒノキの天板。木のぬくもり。

 一つひとつの机に向き合って、ゆがみを直し、ネジを締める。2学期を気持ちよく迎えてもらうために。

 

 机のがたつきは、小さなストレスになります。ノートが傾く、筆箱が落ちる、姿勢が崩れる・・・・。

 

 だから、私たちは夏の間に少しでも整えたいと思っています。子供たちが見ていない時間に、インパクトドライバーを片手に、次々と職員が教室を巡る。

 「ここ、ちょっと浮いてるね。」

 「この脚にネジを入れよう。」

そんな会話を交わしながら、ただの修理ではない、「準備」としての仕事を重ねています。

 

木曽,福島小学校,夏休み,職員研修

 もう1つの「静かな取り組み」が、職員研修。

 最近では、リモートでの受講も可能になり、夏の暑さの中でも、それぞれの場所で学び続けています。

「教える立場」だからこそ、学ぶ姿勢を忘れない。

 その思いは、どの職員にも共通しています。

 子供たちに「学ぶ意味」を伝えるなら、まず私たちが学びを楽しみ、問いをもち続ける大人でありたい。

 

 

 夏の校舎は静かですが、その中には、未来への準備の音と、学びの気配が確かにあります。

 

 2学期が始まる頃、子供たちはまた一段と成長して、ひとまわり大きくなった姿を見せてくれることでしょう。

 その瞬間を楽しみに、私たち大人も、それぞれの立場で準備を続けています。

 あったかいご飯。やさしいにおい。

 福島小の給食は、毎日、校舎の中で手作りされています。

 

木曽,福島小学校,自校給食,調理室

 給食調理室の中では、大きな鍋がぐつぐつ。調理服に身を包んだ調理師さん栄養士さんたちが丁寧に丁寧に1学期の給食を作ってくれました。

 給食って、どんなふうに作られているの?

 ・・・実はその答えは、想像以上に「本気」です。

 福島小の給食調理室は、まるで小さなレストランの厨房のようです。包丁やまな板、食器や加熱器は全てプロ仕様。

 そして何より、人の手と心が入っています。

 ・朝は8時過ぎから作業開始

 ・200人分以上の食材をそれぞれに計量・加熱

 ・時間管理もばっちり

 

衛生管理も万全。誰か一人が欠けても成立しない、チームでの営みです。

 

 夏休み、子どもの食事作りに悩む声をよく聞きます。

 だからこそ、学校の給食は、単なる「食事提供」ではなく、保護者の心を少し軽くする時間でもあります。

 また、SNSではたまに、給食の量や質に関する誤解が話題になります。

 でも実際には、限られた予算と制度の中で、最大限栄養と味を届けようとする人たちが、毎日ここにいます。

 

 2学期初日の献立は、始業式の後に、

  ・ カレーライス

  ・ いかくんサラダ

  ・ 開田産とうもろこし    

  ・ 牛乳            です。

 

 調理師さん栄養士さんの背中には、

 「おいしく食べてほしい。」

 「学校で安心して食べてほしい。」

 という思いが、静かに、そして確かに宿っています。

 

 

 夏休みの校舎はしんとしていて、子供たちの声も聞こえません。

 その静けさの中で、未来の準備が着々と進んでいます。

 

 

 福島小のタブレットが、この夏、新しくなりました。2学期からは、子供たちがピカピカの端末で学びをスタートさせます。

 今回のタブレット更新は、日々の学習に欠かせない「道具」の質を整えるための大きな一歩です。

 

 新しい機種では、

 ・画面の反応がスムーズになり

 ・バッテリーの持ちもよくなり

 ・より安心して使える設計になっています。

 

 

 

 

 夏休み中の暑いなか、業者さんが1台1台を丁寧に保管庫にセットしてくれました。

 こうした「誰もいない時間の中の作業」が、2学期からのスムーズな授業につながっていきます。

 

 

 

 思えば、すごい時代です。今や、子供たち1人ひとりが1台ずつタブレットPCを持ち、そこかしこで使うようになっています。

 ちょっと前まで、こういったPCはパソコン室で使っていました。

 学習内容や写真のやりとりも、今では、データのみで、クラウドの中に保存されます。

 A.I.も普及し始めて、自動運転も本格的に開発されるようになってきています。

 しかしながら、時代が変わり、周りの道具がいくら便利になっても、それを使う人々の本質は変わりません。学校で大切にすることは、どこの国でも、いつの時代でも、きっと一緒。

 ICT(情報通信技術)は学びを支える環境の一つです。それ自体は「学び」ではありません。今回のタブレット更新も、単なる機器の入れ替えでなく、子供たちの「思考」「表現」「つながり方」をより深めるための土台作りです。

 音声入力、写真記録、プレゼン資料作り、----。

 子供たちは、1台1台の端末を新しい鉛筆のように使いこなしていきます。

 だからこそ、機器が快適であること、安全であること、手にしやすいことが大切です。

 

 夏の間に整えたこの環境が、2学期からの子供たちの挑戦と創造の舞台になります。

木曽,福島小学校,保護者懇談会,夏休み

夏休みに入ると、福島小では保護者懇談会が行われます。

 

しんと静まり返った校舎は、普段とは違った雰囲気です。なんだか不思議な感じがします。

いつもは子供たちの声で賑やかな教室に、この日ばかりは保護者の方と教職員のみが座っています。

いつもと違う教室は、子供たちが歩んできた1学期が、静かに浮かび上がってくるような気がしました。

 

保護者懇談会は、「学校と家庭とがつながる時間」。

学習面や健康面のことだけでなく、その子がどんなふうに毎日を過ごしていたか、

どんな場面で笑っていたか、

どんなことで悩んでいたか、

担任が見て感じたことを、丁寧にお伝えしました。

 

学校と家庭、どちらか一方ではなく、一緒に育てているんだという実感が、この時間にはありました。

 

 

 

懇談会という時間は、「過去を振り返る時間」だけではなく、これからを一緒に考えるための時間でもあるのではないでしょうか?

 

学力、生活、心の成長。

子供たちは、様々な場面で伸びたり止まったり、ゆらいだりしています。

それを大人が「ともに見守る」という構えで話すことができれば、学校はもっと安心して過ごせる場所になります。

 

 

 

懇談会でお伝えするのは、点数ではなく、歩んできた道のりと、これからのまなざしです。

保護者の皆さんの声が、子供たちを後押しし、私たち教職員の背中もそっと支えてくれています。

ありがとうございます。

 

 

 

校舎をわたる風が、少しずつ秋の色を運び始めた今日このごろ。福島小学校に、また新しい音が満ち始めました。音楽会に向けた練習の始まりです。 体育館に集まった、全校児童。先生のピアノの音に合わせて、最初の歌声が響きます。 それはまだ、一人ひとりの声。 高学年のしっかりとした声、中学年の澄んだ声、そして、入学して半年が経った一年生のかわいらしい声。音の高さも、歌い出すタイミングも、息づかいも、みんなばらばらです。けれど、それもまた、一生懸命さのあらわれ。自分のパートを、自分のメロディーを、確かめるように歌う子どもたちの姿があります。 先生の指揮をきっかけに、子どもたちの意識が、自分の内側から外側へと向かっていきます。ざわめきがすうっと消え、空気が澄んでいくのがわかります。 そして、再び歌い始めた、その瞬間。 魔法が起きたかのように、ばらばらだった音が一つの流れになりました。違う高さの音が、パズルのピースがはまるように組み合わさり、美しい「響き」が生まれます。ハーモニーが生まれた瞬間です。 その変化に、誰より早く気づいたのは子どもたち自身でした。「あ…」と、誰かの驚きの声がもれ、歌いながら、隣の子と顔を見合わせてにっこりと笑いました。その表情は、「できた!」「きれいだね!」と、声なき声で語り合っているようでした。 自分の声が、誰かの声と重なる心地よさ。 みんなで一つのものを作り上げる、静かな喜び。 子どもたちは、楽譜からは学べない大切なことを、心と体で感じ取っています。   授業では、楽器パートに分かれての練習が始まりました。鉄琴の涼やかな響き、ドラムの激しい鼓動、リコーダーや鍵盤ハーモニカの懐かしい音色、お互いの音を聴き合い、支え合う。先生が階名で歌うCDが、子どもたちのゆく道を照らします。 「ドードードー♪」 CDから流れる先生の歌声に合わせて、子どもたちは楽器を演奏します。楽譜からの情報に加え、全体のメロディや音の長さが実際に分かって、子どもたちも安心です。 難しい音程に苦戦しながらも、CDに耳を傾けながら友達と教え合う姿は真剣そのものです。   驚くのは、休み時間です。 チャイムが鳴ると、誰に言われるでもなく、何人もの子が音楽室へ向かいます。おのおの楽譜を手に、自然と練習が始まります。校舎には、途切れることなく子どもたちの歌声や音楽が響いています。福島の日常に、音楽が溶け込んでいるのです。 一つの歌を、みんなで完成させていきます。 これは、私たちの社会や生活と、どこか似ているかもしれません。 一人ひとりの個性(声)は違っていても、お互いに耳を傾け、尊重し合うことで、想像もしていなかった美しい調和(ハーモニー)が生まれます。 子どもたちの歌声に耳を澄ませていると、そんな当たり前で、とても大切なことを思い出させてくれます。そして、教室の窓から夕陽を眺めながら、仲間と声を合わせた、あの遠い日の記憶がふっと胸をよぎるのです。 今年の音楽会では、どんなハーモニーが響くのでしょうか。 子どもたちが紡ぎ出す一瞬一瞬の音を、大切に見守っていきたいと思います。
「生物多様性保全の推進に関する基本協定」に係る環境教育事業として、例年、町内の小学校を対象に専門講師による座学と校外学習の授業が行われます。今年度は福島小がその対象となりました。 窓の外には、もう秋を知らせる涼しい高原の風。子どもたちは、何が始まるか、わくわくしていました。   1日目は座学。木曽の開田高原にしか生息しない、絶滅危惧種のチャマダラセセリの話を聞きました。虫好きの子は前のめり、ちょっと苦手な子は顔を背けて「えー」。 でも、先生が語る虫の豆知識や意外なエピソードに、次第に笑顔が広がり、やがて全員の視線がスクリーンに釘付けになっていきます。最後の、生物多様性の話になる頃には、子どもたちは真剣に話を聞くようになっていました。   2日目は木曽駒森林公園へ。緑に包まれた森の中、虫取り網を手に走る子どもたち。高原の空気は澄んでいて、草の香りと土の香りが混じり合う。 捕まえたチョウをそっと三角紙に入れて観察する手つきは、まるで森からの贈り物を扱うようでした。   ひらりと羽ばたくチョウの姿に、子どもたちの表情も変わっていきました。「虫は苦手」と言っていた子が、気づけば目を丸くして覗き込んでいました。自然の風、森の香り、そして小さな羽音。一緒に学び、一緒に走り回ったこの日は、子どもたちの心のどこかに、夏の光と同じように残り続けるのかもしれません。 大人になっても、ふとした時に、こうした「小さな発見」を思い出してくれればいいなあと思います。
3年生が校外学習に出かけました。 木曽町の自然や特産品に親しめる素敵なコースです。 御嶽白菜の畑を見て、ロープウェイに乗って御嶽山に登り、最後はおもちゃ美術館でキーホルダー作りをしました。   大自然の空気と、ものづくりの楽しさにふれた1日でした。   畑の見学では、とれたての御嶽白菜をふるまっていただきました。 「しゃきしゃきしてる。」と、子供たちは大喜びでした。 「みずみずしい・・・。」大人顔負けの語彙力を発揮する子や、 「ポン酢がほしい。」と、たくさん食べる気満々の子など、それぞれの味わい方をしていました。 中には、外で待っているバスの運転手さんに御嶽白菜を持っていく、心優しい子もいました。   御嶽山は、木曽のシンボルたる活火山です。ロープウェイで7合目まで登りますが、ロープウェイまでの道のりも、山道です。バスに乗って曲がりくねった道を上がっていきます。 遠くまで広がる景色を見ながら、子供たちは展望台に置いてあるブランコを楽しみました。   おもちゃ美術館では、ヒノキの板を使ったキーホルダー作り。削ったり、磨いたりして、世界で1つだけのお土産を作りました。     この日の体験は、単なる「見学」や「遊び」ではありません。   畑を見学することで、地域の農業や、食べ物を育てる人の努力に気づく。   高原を歩くことで、自然の大きさや気候・地形の特色を体験する。   木を削りながら、地元のヒノキに親しみ、森と人とのつながりを学ぶ。   1日で「地域・自然・文化」の全てに触れられる、とても贅沢な学びの時間でした。
今日の福島小は、少し緊張した空気。避難訓練が行われました。   子供たちは黙って、素早く動きました。 机の脚をしっかり持ち、机の中に隠れる姿に「本気で取り組んでいる」気持ちが伝わってきました。     先生方の点呼の声が校庭に響きます。誰1人取り残さないように、人数を確認する。その声もまた、命を守るための大切な1つです。   訓練の後には、消防署の職員さんよるお話がありました。 子供たちにも分かりやすく、「なぜこの行動が大切なのか」を丁寧に説明してくださいました。   校長先生からは、 「正しく恐れてください」という言葉がありました。   恐れることは悪いことではありません。 ただ、漠然と怖がるのではなく、「どうすれば身を守れるか」を知り、備えること。 それが、子供たち一人ひとりの「生きる力」につながります。   訓練の時間は、ただの練習ではなく、日常の中で「安全を考える心」を育てる時間でもありました。
福島小では、毎日の掃除も大切な時間。 クラシック音楽が流れてくると、子供たちはまずしゃがんで、今日の掃除の目標を決めるところから始まります。   (あそこをピカピカにしよう。) (今日は早く終わらせたいな。)   それぞれが黙って決めるので、分かりませんが、きっとこんなことを考えているのだと思います。         掃除するのは、自分たちが過ごす場所。下駄箱、廊下、トイレ、運動場...。 自分たちの手で整えることで、「自分たちの場所だ」という感覚が自然に育ちます。   ほうきの音、ぞうきんを絞る水の音、砂を掃く音、校舎のあちこちで、静かなリズムが生まれます。         掃除は、ただの作業ではありません。 「きれいになった」という結果だけでなく、その過程の中で、子供たちは心の整理をしているのかもしれません。   雑巾をかけてピカピカになった床を見ると、どこか気持ちもすっきり。掃除を通じて、空間と心が同時に整う瞬間があります。   そうやって校舎全体が、子供たちの手で清々しい空気に変わっていきます。
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