進む道は、1つじゃない ~単元内自由進度学習 公開授業~
6月27日、2年生と5年生の公開授業を行いました。この日は、教育関係者の方に単元内自由進度学習の一場面を公開しました。
教室・廊下・広場に学習スペースが広がり、グループでワークシートを進める子、動画コーナーで調べる子、図工の部屋で毛糸やビーズなどを手に取って組み合わせを考える子、それぞれが自分のペースで課題に向き合っていました。
また、教室で一人黙々と課題に取り組む姿も見られました。
時間と空間の自由度が高い中で、互いに声をかけあったり、1人で考えたりと、子供たち自身の選択とそれを可能とする工夫がありました。
この日の授業では、子供たちが安心して学習に取り組む姿が心に残りました。友だちと一緒にプリントを進めるグループでは、何人かが途中で「ちょっと見てくる」と言って、動画コーナーに行き、少しして戻ってきました。グループ内でもそれぞれが自由に活動を行っていました。
沖縄や北海道に関係するBGMも流れていて、45分という時間がとてもゆっくり流れているような気がしました。
2年生では、ある男の子が、机と水場を何度も行ったり来たりして、マスで水を汲んだりこぼしたり試行錯誤を繰り返していました。
途中、先生からアドバイスをもらって、への字に結ばれていた口がにこっと緩みました。効率よく答えをだすことではなく、関係ないようにみえる情報の中や、一見すると遊んでいるようにみえることの中に、大切なものがあるように思えます。それはきっと学ぶということの原点に近い気がします。
一つの目的に向かう道は、実はたくさんあります。まっすぐ進む人、寄り道をする人、遠回りに見えて大事なものを拾ってくる人。
単元内自由進度学習には、進み方の自由があります。だからこそ、私たち教職員が「子どもたちを信じて待つ」時間が自然と長くなます。
こういった学びを見ていると、「そろっていないこと」が、こんなにも豊かなで自然なのかと感じます。整いすぎた場所では見えない”にじみ”や”ゆらぎ”の中に、思考や創造が宿るのかもしれません。
正直、単元内自由進度学習には、戸惑いや課題もあります。でも、子どもたちの選択がその子にとっての学びになる場面が、確かにあります。
私たち大人にとっても、「見守る」「待つ」「認める」力が試される1年。
その始まりを、この木曽の自然と共に迎えました。