跳ねるウサギと政治の責任
6年生が単元内自由進度学習に取り組みました。
それは、「政策」と「伝統」を往復しながら学ぶ時間。
6年生の国語と社会では、少し変わった学びをしていました。
単元の中で、子供たちが自分のペースで進む「自由進度」。
その一部を教室の空気とともにお伝えします。
社会では、「もし自分が政治家なら、どんな政策を決め、出すか?」という視点で、防災計画や子育て支援について考えていました。そして、実際に選挙に立候補するように、選挙ポスターを作って廊下に貼り出しました。しかも、全員です。
子供たちは、行政の限界や住民への説明責任、法律の難しさに驚いたようでした。
大人でも悩むところに、まっすぐ向き合おうとする姿がそこにはありました。
正解は1つではありません。
けれど、限られた条件の中で、誰かの安全を想像して選ぼうとする時間には、静かな重みがあります。
国語では、鳥獣戯画に親しむ活動が並行して進んでいます。
ウサギやカエルが跳ね、走り、時にふざける古い絵巻物を、子供たちはくすっと笑いながら眺めています。
そこから関心は「どうやって巻物を読むのか?」「昔の人はどうやって残したんだろう?」と、日本の伝統的な書物へ・・・。教室の机に、千年の時間がそっと並ぶような、穏やかなひとときです。
一見すると、これらは全く別の学びに見えます。けれど、どちらも”人がどう生きてきたか”という共通点があります。
災害に備える仕組みや子育て支援政策を作るのも、絵巻物を描き、残そうとしたのも、いつの時代も、人の暮らしを守りたい・伝えたいという願いの現れです。
子供たちは、自分のペースで学びを進めながら、自然と人の営みに目を向けています。