見えない世界に触れた日
今日は、人権月間の学びとして、目の見えない方と盲導犬が学校に来てくださいました。
体育館に入ると、子供たちの視線が自然と1つに集まります。盲導犬のゆっくりとした足取り。そして、その横に立つゲストの方の柔らかくもはっきり通る声。
空気が静まり、子供たちの声にならないわくわく感が伝わってきました。
話が進むにつれて、子供たちの「内側」が動いていくのが見えてきました。
ご自身の日々の生活を紹介してくださり、洗濯物を干している様子や、りんごの皮むきの実演をしてくださいました。包丁は慣れた手つきでするすると皮がむかれ、子供たちは目を丸くしていました。
「見えてないのに、どうして分かるの?」
多くの子が同時に同じ疑問を抱えた瞬間でした。
ご本人曰く「みんなのお家の方と同じですよ。」とのこと。
続いてのアイマスク体験。
自分の名前を書こうとした子供の手が宙で迷いました。
絵を描く時も、線がどこで終わるのか探す動きがゆっくりになる。
普段、何も考えずにできているはずのことが、突然一つ一つが確かめながらの動作に変わっていきます。
Iさん「字を書く時に、何度も同じところに書いてしまいました。」
Mさん「好きなキャラクターを描きました。目を開けて描いた時と違ってズレていました。」
最後は、音の鳴るボールで座ってパス回し。
不意に鳴る「シャンシャンシャン」という音に、列の中の全員の注意が吸い寄せられる。音を頼りに相手を想像し、「どこにいるか」を探しながらボールを送る姿が印象的でした。
「きゃー」「こわい!」
「ボールはどこに行ったの?」
活動が終わる頃、体育館には不思議な静けさがありました。
その中で、「見える・見えない」の区分をこえて、人の動きや気持ちの「手触り」のようなものが、それぞれの心にひっそりと残っていく様子だけが、最後まで変わらずにそこにありました。
あとは、それをどう扱うか。今日の体験の続きをつくるのは、子供たち自身です。